歩行介助は介護士の業務の一つですが、一言で歩行介助と言っても利用者の身体の状態や介護度によって介護の仕方は大きく異なります。
人間は、年齢を重ねるにつれ徐々に身体機能が衰えていきます。歩くのがゆっくりになったり、すり足で歩きがちになり躓いたりすることも増えてきます。車いすを利用するまではいかなくても、ふらつきなどがある人は転倒リスクが高まるので杖を使ったり歩行器を使うようになります。高齢者は一旦転倒すると大きなけがに繋がり、介護度が上がってしまうリスクがあります。ふらつきや転倒リスクの高い高齢者は、一人で出掛けることに不安を覚えて引きこもりがちになってしまう場合もあります。しかし、歩かなければ足腰はますます弱ってしまいます。そういった不安を感じを抱えている高齢者を見守り、歩行介助を行うことで、利用者は安心を覚えて意欲的に歩けるようになるでしょう。
歩行介助を行う際の注意点は、高齢者の動作を妨げないようにすることです。転倒させたらいけないと思うあまり、くっつきすぎても邪魔になります。腕をしっかり掴んだりすることも、自然な腕の振りを妨げてしまいます。誤った歩行介助は相手も気を遣ってしまい自然な歩行ができなくなってしまいます。そうなると逆に転倒リスクが高まってしまいます。それを防ぐためには、歩行の際の筋肉の動きや重心移動について知ることが大事です。
歩行時の体の動きの特徴を知ることで、介助者自身も力むことなく自然なサポートができるようになるはずです。